バッハ会長、コーツ副会長の来日で組織委に広がる疑心暗鬼
2019年7月に来日したIOCのトーマス・バッハ会長(右)と東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
ただ事ではないかもしれない。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長とジョン・コーツ副会長が15日から来日する予定となっている。
16日から3日間、IOCと国際パラリンピック委員会(IPC)の関係者を従え、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会などと都内で会議を実施する。菅義偉首相や東京都の小池百合子知事らとの会談も行う方向で最終調整されており、いずれも大会期間中の新型コロナウイルス対策について意見交換するものとみられている。
しかし、コロナ禍でオンライン会議が主流となっている最中、IOCの2トップと関係者、IPC幹部がわざわざリスク覚悟で大挙して来日することから「本当に大会を実現させるためのポジティブなものなのか」と疑念を抱く声も決して少なくない。
組織内部にの「ついに中止を進言されるのか」の疑念
「五輪中止は議論せず」と伝えるメディアもあるが、実を言えば、今回の2トップの来日目的については大会組織委員会も詳細に把握できていないのだ。
関係者の話を総合すると、あくまでも表敬訪問を兼ねた来日であって「大会期間中の新型コロナウイルス対策」に関して貴重な話し合いの場を持つことが“できるであろう”という希望的観測のみであり、当事者たちの真の胸の内まではどうやら正確に読み切れていないようだ。だから大会組織委員会の内部からも、バッハ会長らに「ついに大会中止を進言、もしくは提案された末に議論せざるを得ない流れになるのではないか」との疑念まで向けられているのである。
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