方法や場所という枠に捉われず、様々なアプローチやフィールドでアート作品を生み出し続ける、オラファー・エリアソン。国連から気候変動に対するプロジェクトの大使にも任命され、今もっとも世界から注目を集めるアーティストのひとりである彼の、最新作を含む大回顧展がスペインの〈ビルバオ・グッゲンハイム美術館〉にて開催中です。
ビルバオのグッゲンハイム美術館にて、アイスランド系デンマーク人アーティスト、オラファー・エリアソンの『In Real Life(現実世界の中で)』展が開催中だ。1967年生まれの彼は1990年代初頭から創作活動をはじめ、ロンドンの〈テート・モダン〉の室内壁面に製作した巨大な太陽を用いて霧を発生させた《ウェザー・プロジェクト》や、電気供給のない場所に住む人々のために太陽光発電ランプをつくり、それを先進国の人々への販売を通じて届ける仕組みごとデザインした《リトル・サン・プロジェクト》などで知られる。取り扱う主題、作品の作り方やスケール、フォーマットなど、さまざまな意味で「アートを超えるアーティスト」としてまたたく間に世界的に認知されるようになり、昨年2019年9月には国連開発計画(UNDP)から、「気候変動に対して持続可能な開発を目指す(SDGs)親善大使」にも任命された彼の、新作を含む回顧展である。
環境問題、社会的な格差、エネルギーの枯渇などより世界的、社会的な問題に関心を向けているエリアソンは、それらに対する憂慮の念を世界中の一人ひとりの「わたし」たちと共有し、体感するための作品をつくり続ける。本展では暗い空間の中に掴みどころのない霧と虹が立ち現れる《ビューティー》の他、美術館の隣に高さ11メートルの「滝」が設置される予定だという。この「滝」はシドニー(1998年)、ニューヨーク(2008年)、サン・パウロ(2011年)、ヴェルサイユ(2016年)に続くシリーズの最新作で、ビルバオという都市空間の只中に、人々をその景観と音、水しぶきで圧倒させる「人工的な大自然」が建設され、「現象」としての自然を体感し、自然環境へ想いを馳せるための装置となっている。
展示される30作品のうち、もうひとつ特筆すべき作品は、2015年に他界したアイスランド人アーティストで数学者、建築家でもあったエイナー・トーステイン(1942-2015)との共同作品である《Model Room》だ。レゴや紙、スポンジやゴム、金属など様々な素材を用いてつくられた450個にもおよぶ模型群には、オラファー作品の特徴がいくつも見て取れる。関わる専門家の多様性、執拗で圧倒的なまでの仕事量・追求性、そして作品名が《Model Room》であることからも分かるように、オブジェ、部屋、ドーム、建築、惑星などあらゆるものに応用できる可能性を感じられるという豊かな想像力。
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March 05, 2020 at 04:55PM
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時代を更新するアーティスト、オラファー・エリアソンの世界を回顧展で。 - カーサ ブルータス
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