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「涙流すまでに24年…」高知東生が母の自死を公表した真意 - auone.jp

「衝突した車を発見した人に、母は『このままにしてください。息子にごめん』と言ったそうです。母が亡くなった後、あと数日で期限切れになる生命保険の証書が見つかりました」

そう語るのは、元俳優の高知東生さん(55)だ。

’16年に覚せい剤取締法違反で逮捕され、来月9月に執行猶予期間が明ける高知さん。そんな彼のTwitterに今、注目が集まっている。きっかけとなったのは、7月19日のツイートだった。

《俺が17歳の時に母親は自殺した。その日、寮生活をしていた俺に突然会いに来て「進路を今決めろ」と言い、別れ際に「ねぇ、私綺麗かな?」と聞いてきた。「実の息子に何言ってんや! 気色悪い。もう門限だから行くぞ」と言って車から降りると、母親は泣きながら笑っていた。それが最後の会話になった》

前日の18日には、俳優の三浦春馬さん(享年30)がこの世を去っていた。そうしたなかで明かされたこの投稿には、16万件の「いいね!」が寄せられた。

「言わずにはいられなかった」

高知さんはそう語る。

「彼の死やそれを報じるマスコミを見ていて、いろんな部分が自分の中でフラッシュバックしてしまって。居ても立ってもいられなくなりました。なぜそっとしてくれないんだ……と」

高知さんが17歳のときに自殺したという母。死の直前、高知さんは優しい言葉をかけられなかったことを後悔することとなる。

《その日から俺は「なんであの時『綺麗やぞ、お袋』と言ってやらなかったのか?」「言ってたら死ななかったのか?」と苦しむことになった。喪失感、怒りや悲しみ、様々な感情をどう吐き出していいかわからず、俺はどんどん荒れていき喧嘩ばかりするようになった。今も最後の一言への後悔は消えていない》

ストレートにつづられる告白には、多くの声が集まった。

《自分は死なれた時に相談されてなくて、相談できるに足る人物ではなかったと物凄く凹みました》
《第一発見者で色んな後悔が残ってる今は悲しみも癒えたけど後悔は消えない》

ほかにも身近な人を自死で失った人や、人に言えないつらさを抱えている人などから共感の声が相次いでいる。

「俺のTwitterが、今は自助グループのようになっているんです。『ここだから言えます』といった返信をもらうと、『俺も人の役に立てているんだ』とうれしく思いますね」

三浦さんの死後、その背景に母親との関係悪化があったかのように報じるメディアもあった。これらの報道について、高知さんは「自死遺族だからこそわかることがある。まわりが軽はずみに言ってはいけないこともある」と語気を強める。

「臆測で報じるマスコミに腹が立ちました。私も母が亡くなったとき、遺族として『真実は何であれ、そっとしておいてほしい』と願っていたことを思い出します。

これは励ましや慰めなど、優しい言葉にも言えること。母が死んだとき、多くの人が励ましてくれました。でも正直、その優しさがつらかったんです。どんな言葉も受け入れる余裕がない。『お前がおふくろを生き返らせてくれるのか?』としか思えませんでした」

身内の死という悲しみを受け入れるには、時間がかかる。高知さんの場合は現実を直視し、涙を流すまでに24年もの歳月がかかったという。

「死んだ母と同じ41歳になったときのことです。リビングでテレビを見ていたら、横で家事をする当時の妻がふと目に入りました。彼女も私と同じ歳。そこで『ああ、おふくろはこの若さで死んだんだ……』と思ったら突然、涙が止まらなくなったんです」

赤裸々に過去も現在も語れるようになったのは、高知さんが「薬物依存回復プログラム」に取り組み始めてからだった。そもそも薬物を使わなくてはならないほど自分を追い込んだ要因も、成育歴からくるゆがんだ美学にある。

「自分の生い立ちは極端にゆがんでいました。小学校5年生までは、親戚の家に預けられ大人の顔色を見て生きてきました。母親に引き取られると、母は愛人だったので父親に気を使いました。母が自殺をしてからは、天涯孤独で東京に出てきました。人に頼ったり助けを求めたり、そうしたことを全く知らなかった。『弱音を吐いちゃいけない』と、何でも一人で抱え込むことが当たり前だったんです」

逮捕後、麻薬取締官に「来てもらってありがとうございます」と頭を下げたエピソードが賛否を呼んだ高知さん。当時は、それほど限界を感じていたという。

「依存症回復プログラムを通じて、いかに自分の生い立ちや価値観が変わっていたかを知りました。もし17歳の自分に声をかけてあげられるなら……。『お前、よく死ななかったな。つらいこと抱えて、本当によく生きていたな』と言ってあげたいです」

9月には執行猶予が明ける。今後は依存症復帰の啓発活動に尽力すると同時に、初の自叙伝発売も控えているという。

「多くの方のサポートのおかげで本当の自分を発見し、55歳にして成人式をもう一度迎えたような気持ちです。依存症は一生完治せず、毎日が回復の日々。しかし本当の自分を発見していく新鮮さがあるので、今は、薬物をまたやりたいという気持ちは起きません。

ただこの病気は油断したらいけないといわれています。だから僕を回復に導き、支えてくれる自助グループの仲間たちからは離れずにいたいと思います。そして今後は、僕自身が誰かの支えになりたい。どん底から抜け出せた自分の経験を生かしたいですね」

最後に「もっと俺らしくありたい。これからの自分が楽しみです」と語った高知さん。その表情は柔らかかった――。

(取材・文:おおしまりえ)

「女性自身」2020年9月8日号 掲載

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