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裸エプロンでの撮影も…… 「何をしてでも生き残る」芸能生活20周年・ソニンの“波乱万丈” - auone.jp

 歌手・女優のソニンがきょう10月18日、芸能生活20周年を迎えた。これに合わせて「SONIM's 20th ANNIVERSARY LIVE 『Cheers.』」が東京・日本橋三井ホールで本日2回にわたり開催される(配信もあり)。今月14日には、20周年記念シングルとして「ずっとそばにいてね。」もリリースされた。同シングルは、ソニンたっての希望で、デビュー当初のプロデューサーであるつんく♂が楽曲を提供したものだ。女優としても、来月には帝国劇場でのミュージカル『ビューティフル』の3年ぶりの再演を控える。

【画像】裸エプロン姿で撮影したソニンの写真

2020年撮影  @時事通信社

つんく♂プロデュース「EE JUMP」でデビューするも……

 ソニンは15歳のとき、SPEEDのライブを見たその日に歌手になると決めたという。実力試しに受けたオーディションで、合格はしなかったものの、審査員の1人だった事務所社長から後日連絡があり、そこから男女複合のダンスボーカルユニット「EE JUMP」でのデビューが決まる。こうして17歳だった2000年10月18日、EE JUMPの1stシングル「LOVE IS ENERGY!」がリリースされた。

 EE JUMPは、プロデューサーをこのころモーニング娘。で飛ぶ鳥を落とす勢いだったつんく♂が務め、もう1人のメンバーであるユウキも、当時モーニング娘。に在籍した後藤真希の弟とあって話題を呼んだ。だが、ユウキは2年目に3rdシングル「おっととっと夏だぜ!」がヒットした矢先、行方をくらまし、グループでのイベントやテレビ出演をソニン1人でこなすはめになる。その後、ユウキは謹慎を経て復帰するも、2002年に写真週刊誌でスキャンダルが報じられ、責任をとって脱退する。これによりEE JUMPは事実上解散、すでに決まっていた1stアルバムの発売も中止された。

裸エプロンの『カレーライスの女』

 いきなり崖っぷちに立たされたソニンは、芸能界に残るため、さまざまな試練が与えられる。テレビ番組の企画で、出身地の高知から祖父の故郷である韓国・居昌まで570キロをマラソンしたり、5万4600個のドミノを1人で6日間かけて並べたりしたほか、ソニン名義での1stシングル「カレーライスの女」(2002年8月)のジャケット写真は裸にエプロンという姿で撮影した。いまの感覚からすれば、そこまでやらせなくても……という気もするが、こうした体当たりの挑戦によって彼女が注目され、仕事も広がっていったことは間違いない。彼女自身、のちに振り返って《『より多くの人に歌を届けたい』という夢を叶えるためなら、何をしてでもこの世界に残って力をつけていくしかないと思っていましたね。ハチャメチャだったかもしれないけど、そのお陰で私は強くなれました》と語っている(※1)。

テレビドラマ『高校教師』で俳優デビュー

 2003年にはテレビドラマ『高校教師』で俳優デビューも果たした。このときのソニンが演じたのは、ホストに貢いで風俗嬢に堕ちていく紅子という女子高生だった。役づくりのために事務所の社長にホストクラブへ連れていってもらったり、自ら歌舞伎町の風俗案内所に行ってパンフレットを見たりもしたという(※2)。

 2004年には、松尾スズキ少女歌劇団の『松尾スズキ物語』において松尾スズキ役(!)で初舞台を踏み、プロレスラーの橋本真也と共演した『あゝ!一軒家プロレス』で映画にも初出演した。同年には『8人の女たち』で2度目の舞台を経験、しだいに演劇への関心が深まり、自分でも積極的に観劇するようになる。

運命を変えたミュージカル『スウィーニー・トッド』

 このころ観た大竹しのぶ主演の舞台『奇跡の人』に感動し、大竹さんと一緒に仕事ができたらと、ミュージカル『スウィーニー・トッド』のオーディションを受けた。見事合格してジョアンナという娘役を得たが、初ミュージカルのうえ難解で知られる作品だけに、稽古は大変だったようだ。それでも2007年1月に幕が開くと、すっかり役にのめり込む。それまで芝居ではなかなか泣けなかったのが、劇中、涙が止まらなくなり、終演後にも感情が収まり切らず、過呼吸になるほどだった。どうしたらいいのかと大竹の楽屋に泣きながら相談に行ったところ、「感情があふれてあふれて、というのは、芝居をやるうえですばらしいことで、役者としては楽しいことでもあるけれど、舞台上で私たちはお客さんにセリフをちゃんと伝えなきゃいけないんだから……」と具体的に教えてもらったという(※3)。

 2008年にはミュージカル『ミス・サイゴン』で主人公のキムを演じる。このとき、舞台上でキムが息絶えるとき、役と自分が同化したように「もうこのまま死んでもいいや」という、これまで感じたことのない純粋で新鮮な感情を抱く。これにより、ステージが自分の居場所なんだと確信することができたという(※4)。

「今、何をするかが明日につながる」休業しニューヨークに留学

 ただ、一方では、思いの強さが空回りしているような感覚があり、自分のなかでモヤモヤが募ってもいたという(※5)。実力のある俳優たちに囲まれながら、自分が主役を演じることにもかなりプレッシャーを感じていたらしい。そんなふうに悩みを抱えていたとき、ちょっと息抜きしようとニューヨークに行った。そこで見たのは、周囲の目など気にせず、自信を持って生きている人たちだった。ここから《そんな街で暮らしたら、私自身のアイデンティティーも含めて、自分がマイノリティーだと思っていることや「生きづらい」と感じていることの理由も見つかるかもしれないな》との思いが芽生える(※6)。

 だが、このころにはすでに舞台出演のオファーがあいつぎ、留学を申し出ても反対されるばかりだった。それでも彼女はひそかに準備を進める。仕事の合間を見ては何度もニューヨークに赴き、現地で知人を訪ねたりツテをつくったりし、ボイストレーニングの先生に根回しもした。そのうえで文化庁の新進芸術家海外研修制度にこっそり応募し、合格する。こうして2012年12月から休業して1年間ニューヨークに演劇留学し、期間を終えてからも自費でもう半年間、滞在を続けた。出発に際し、周りからは「それ、いままで築いたものを捨てるってことだよ」とも言われたという。それでも彼女のなかでは、《いつか、いつかって待ってたら、何もできない。戻る場所がなければ、それはそれまでだなって。明日なんて、誰も保障されてない。今、何がしたいか。今、何をするかが明日につながる》と決意は揺るがなかった(※7)。

帰国後の高い評価とあいつぐ受賞

 このときの決意はけっして間違いではなかった。帰国直後には舞台『三文オペラ』に出演。その稽古に参加したとき、共演者から口々に「変わったね」と言われ、公演を観た人たちからも「ニューヨークに行って正解でしたね」という手紙がたくさん届いたという(※6)。

 いまやソニンはミュージカルに欠かせない存在となった。その実力は、第41回菊田一夫演劇賞(2015年)、第26回読売演劇大賞(2019年)の優秀女優賞と、あいつぐ受賞でも証明される。今年1月~2月には、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の戯曲を生瀬勝久が演出した『グッドバイ』に出演(こちらはミュージカルではなくストレートプレイだが)。太宰治の未完の絶筆をKERAが喜劇として完結させた同作でソニンは、主人公の男が女性関係を整理するにあたり偽の妻になってもらうキヌ子というヒロインを演じ、見事なコメディエンヌぶりを見せていた。主演の藤木直人とは、『高校教師』以来じつに17年ぶりの共演だった。

17年ぶりにタッグを組んだつんく♂「時には甘えていいんだよ」

 このたびリリースされた「ずっとそばにいてね。」は15年ぶりとなる久々のシングル、つんく♂とタッグを組んだ楽曲としては藤木との共演と同じく17年ぶりの作品となった。そのつんく♂はリリースに際し、かつての彼女について《普通の女の子なら挫折しててもおかしくない場面も数回はあったように思います。/それでも、自分で歯を食いしばりながら諦めることなく、こうやって進んできたことにある種のリスペクトを感じます》と讃えたあと、《それでも、ソニンにこう思います。/「時には素直に甘えていいんだよ。」/そういう気持ちでこの曲を作らせていただきました》とメッセージを送った(※8)。

 かつては表現したいことに実力が追いつかず、主演を務めても肩身の狭い思いを抱いていたというソニンだが、30代後半となったいまでは《私が主役で舞台に立ってもいいのだと、胸を張って言える》までになった(※6)。それも、いつも納得いくまで研鑽するという努力あってこそだ。そんな彼女へ恩師が贈った「時には素直に甘えていい」という言葉に“親心”を感じずにはいられない。この思いに応え、素直に甘えられるようになったとき、ソニンはまた新たな境地を拓けるのではないだろうか。

※1 『スコラ』2009年9月号
※2 『Quick Japan』Vol.50(太田出版、2003年)
※3 『演劇ぶっく』2007年4月号
※4 『週刊朝日』2019年7月19日号
※5 『日経ウーマン』2018年10月号
※6 『婦人公論』2020年1月28日号
※7 『週刊プレイボーイ』2012年11月12日号
※8 「ORICON NEWS」2020年9月25日配信

(近藤 正高)

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October 18, 2020 at 09:06AM
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