将棋の藤井聡太竜王(王位・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が渡辺明名人(39)に挑戦する第81期名人戦7番勝負第4局が21日、福岡県飯塚市「麻生大浦荘」で始まり、午後6時30分過ぎ、先手の藤井が1時間19分の考慮の末、39手目を封じて1日目を終えた。シリーズの対戦成績は藤井の2勝1敗。藤井が史上最年少名人&7冠に「王手」をかけるか。4連覇を目指す渡辺が連勝で追いつくか。シリーズの流れを左右する大一番となる。

藤井はいつものようにお茶を一口飲み、心を整えてから飛車先の歩を突いた。4手目で渡辺が角道を止め、戦型は雁木(がんぎ)に進んだ。藤井は早々と銀を繰り出し、急戦を狙う構えを見せた。午前中は藤井の長考が続き、午後に入って渡辺が長考返し。

藤井は勝負メシに「かしわめし御膳」を注文。地鶏を使用した郷土料理で、そばと天ぷら、辛子めんたいこを出し巻き卵で巻いた逸品がついている。渡辺は「にぎり寿司膳(わさび抜き)」。玄界灘で水揚げされたばかりのアジ、タイなどのネタがふんだんに使われている。

形勢はほぼ互角。藤井がやや優位との見方も。歴史と伝統ある名人を決める戦いの2日目は22日午前9時に再開する。【松浦隆司】