今季メジャー第3戦・全米女子プロ選手権は日本時間8日夜、米ペンシルベニア州のアロニミンクGC(6577ヤード、パー70)で開幕する。昨年のメジャー・AIG全英女子オープン覇者で今大会初出場の渋野日向子(21=サントリー)が現地時間7日、オンライン会見を行った。
今大会が約2カ月の海外遠征、全6戦の締めくくりだ。渋野は「今までメジャーだからと言って、他の試合とあまり気持ちは変わらないと言ってましたけど、ここに来てみたら違いました」という。
そう感じた理由の1つはまず、トーナメントの「規模」だ。「他のメジャーと比べても“全米女子プロ”と言うぐらいだから」という。前日から2日間、練習ラウンドをこなし「メジャーのセッティング」を肌で感じた。
「アメリカに来て、一番難しい。他と比べものにならなくて、かなり厳しい戦いになると思います」
コースが長い。総ヤーデージが6577ヤードもあって、パー70。日本ではスタンダードなパー72から、パー5が2つなく、パー4が2つ増える。そのパー4で400ヤード超えが6つもある。「昨日の(最初の)10番から(セカンドで)5番ウッドを持ちましたからね」とこぼし「どうしてもセカンド(第2打の距離)が残ってしまう。フェアウエーウッド、ユーティリティー、ロングアイアンがほぼ必要になる。ピンに近づけるというより、グリーンに乗せることが大事になって、バーディーを多く取ることが期待できそうもない」と苦笑いした。
グリーンにも難しさはある。前週、3連続3パットを喫するなど徹底的にやられたポアナ芝から、ベント芝になる。ピョコピョコ跳ねたりするグリーン面が、スムーズに転がるものへ。「それで少し安心してたんですが、来てみたら、予想以上の大きさとアンジュレーションで。今週はまた違う部分で苦労しそうです」。ロングパットの距離感はもちろん、2メートル前後のパーパットなどがかなり残ることを想定し「それをいかに決めていくか」がスコアメークのカギの1つと読んでいる。
口を突いて出る言葉は「難しい」「厳しい」など悲観的なフレーズが並ぶが、表情は柔らかい。いつもの“しぶこスマイル”が目立った。6戦目を迎える米ツアー遠征で実感した。
「約2カ月、米ツアーで戦って、今まで以上に“もっとアメリカで戦いたい”と思うようになった。2カ月でこれだけ思うんだから、1年やったらどうなるんだろう? そこが興味深いんです。私は伸びしろがあると思っているし、挑戦してみたいです」
スコットランド女子オープン、AIG全英女子オープンの連続予選落ちから始まり、これまでの5戦でトップ10はない。「アメリカの悔しい思いは、日本では消えない。アメリカの悔しさは、アメリカで晴らすしかない」。まして今回は我慢がより要求されるセッティングだ。「耐えるゴルフは好きじゃないんですけど。これから先、必ず必要になる。今までのゴルフ人生の、習ってきた全てをこの4日間で出し切れたら、と思っています」と話した。
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