将棋の藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=20)が全8冠制覇を目指す、第71期王座戦挑戦者決定トーナメント(挑決T)2回戦の村田顕弘六段(36)戦が20日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われ、後手の藤井が土壇場で大逆転勝ちし、ベスト4に進出した。
8つあるタイトルのうち、7冠を保持する藤井にとって残すは王座のみ。あと2勝すれば、永瀬拓矢王座(30)への挑戦権を獲得する。藤井は28日、挑決準決勝で東京・千駄ケ谷「将棋会館」で羽生善治九段(52)と対戦する。
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一瞬の隙を逃さなかった。持ち時間5時間を使い切り、両者ともに1分将棋に突入する大激戦。藤井は76手目に相手に銀を差し出す勝負手を繰り出した。「ただ捨ての銀」。鬼気迫る勝負術が、相手の焦りを誘う。人工知能(AI)の形勢判断では一時、10%を下回る劣勢だったが、長手数の詰み筋を読み切って、鮮やかに逆転勝ちした。
終局後、藤井は「中盤から受けを受け止められる展開になってしまい、はっきり苦しくしてしまった。最後の最後に勝ちになった」と振り返った。
前人未到の全8冠制覇に向け、最後の1冠となる王座戦は、相掛かりの出だしから力戦形へ。村田が早い右銀を繰り出し、序盤まで角道を開けない「新・村田システム」に苦戦した。中盤は村田が一時、優勢を築いたが、反撃の道筋を探し続けた。
王座戦は“鬼門”だ。初参加となった18年度は挑決T準決勝まで進出したが、19年度は同1回戦で敗退。20年度は2次予選で姿を消し、21年度から2年連続で1回戦敗退している。1回負けたら終わりのトーナメント戦だけに、全8冠制覇への最難関とみられている。
負けられない防衛戦も続く。5日にベトナム・ダナンで開催された第94期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第1局で佐々木大地七段(28)に先勝し、23日には兵庫県・淡路島で第2局がある。7月からは佐々木を挑戦者に迎える王位戦7番勝負が開幕する。2つのタイトルを防衛し、9月に開幕予定の王座戦5番勝負を制すれば、史上初の全8冠制覇を達成する。
大記録には険しい道が続く。挑決T準決勝は3月12日に王将戦で初防衛をして以来、約3カ月ぶりに羽生と対戦する。新会長VS7冠。「羽生九段との対戦は楽しみ。いい内容にできるように、いい状態で臨みたい」。ハードスケジュールは続くが、8冠ロードを突き進む。【松浦隆司】
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