同作は、沢木耕太郎氏が、半生をかけて追い続けてきたテーマ・ボクシングを通じて“生きる”ことを問うた同名小説を映画化。瀬々敬久監督がメガホンをとった。 不公平な判定で負けアメリカへ渡り、40年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一(佐藤)と、偶然飲み屋で出会い、同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾(横浜)をめぐるストーリー。仁一に人生初ダウンを奪われたことをきっかけに、翔吾は仁一にボクシングを教えて欲しいと懇願。やがて2人は世界チャンピオンをともに目指し、“命を懸けた”戦いの舞台へと挑んでいく。
ボクサー役を演じた横浜は、自分自身がプロボクサーになる必要があったという思いが強く、撮影に挑んだときには既にプロボクサーの技術が備わっていたが、宣伝活動が本格始動する段階で、日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストの受験を決意したそう。実技(スパーリング)テスト、筆記テストなどに合格したことを6月12日に自身のインスタグラムで報告していた。
佐藤は、横浜のプロテスト受験の経緯について「撮影のときにそこそこそういう話はあったんです。『やってみたら?』というので、その気にさせてた」と打ち明けた。そして「本当に受験するとは思っていないので、びっくりと『よしっ!』って気分です」と横浜を見つめて、祝福。横浜は「良かった〜」と安どの表情を浮かべた。劇中では、ミット打ちのシーンも。佐藤は「ミットって実は重いんです。なおかつ引いたらだめで当てにいくんです」と説明し、「またこの男(横浜)のパンチが重くて」と苦笑い。「お互いにだんだん重ねるうちにアイコンタクトで何となくお互いができるようになっていくのが楽しかったです」と振り返った。
横浜は、佐藤とのミット打ちについて「僕は痛いのを知っているからこそ躊躇はあった」と告白。「『気にせず本気で来い』と言葉をいただいたので、抜いてやるのは失礼なので、胸を借りて本気でやらせていただきました」と回想。「信頼関係がないと難しいのですが、言葉を交わさずとも関係を作っていけた気はします」と力を込めた。
■プロテストに関して日本でプロボクサーになるには、日本ボクシングコミッション(JBC)の「ボクサーライセンス」を取得する必要があり、ボクサーライセンスは、JBCが開催するプロテストに合格すると取得可能。プロテスト受験するには、日本プロボクシング協会(JPBA)に加盟するボクシングジムに所属する練習生であることが条件となる。プロテストの前にコミッションドクターの医療診断に合格した者がプロテストを受験でき、プロテストでは、実技(スパーリング)試験や筆記試験がある。年齢の制限は、16歳から34歳までの男女(未成年者の場合、親権者の承諾書が必要)。
■C級ライセンスに関して
プロテストに合格した選手は原則としてC級ライセンスを取得でき、4回戦(4ラウンド制)の試合に出場できる。
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