「歌舞伎の名脇役」人間国宝・沢村田之助さん死去、８９歳…女形から二枚目まで幅広い芸域 - 読売新聞オンライン

　歌舞伎の名脇役で人間国宝の沢村田之助（さわむら・たのすけ、本名・山中宗雄＝やまなか・むねお）さんが２３日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。８９歳だった。告別式は家族で行う。喪主は妻、忍さん。

　五代目沢村田之助の長男として生まれ、幼いころから祖父の七代目沢村宗十郎や父の指導を受けた。１９４１年に沢村由次郎を名乗り、初舞台。六代目尾上菊五郎、七代目尾上梅幸ら名優の下で腕を磨き、６４年に六代目田之助を襲名した。

　正統派の女形から二枚目の立ち役まで芸域も幅広く、国立劇場の歌舞伎俳優研修の主任講師として後進の育成にも尽力した。２０１４年５月の歌舞伎座「矢の根」の曽我十郎役が最後の舞台となった。

　１９９７年に紫綬褒章。２００２年に人間国宝に認定され、１３年に旭日小綬章を受章した。相撲好きとしても知られ、０３年から１３年まで横綱審議委員会委員を務めた。

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